9Mar
数珠の選び方を正しくご存知でしょうか。パワーストーンのブレスレットが流行る現代、数珠もスピリチュアルなものとして注目されています。
数珠は大人っぽいデザインが多いので、男性にも人気がありますよね。しかしいざ数珠を買おうと思っても、意外と種類が多く、ピンとくるものが見つからないことも。
そこで数珠を買う際に、迷わず見つける選び方について、詳しくご紹介していきましょう。
数珠の意味について
数珠はお葬式で使うものという印象がありますが、お守りとして普段から身につける人も多いのです。そもそも数珠とは何か、意味や用途について詳しくご説明しましょう。
数珠とは何か
小さな珠に糸を通して腕につける法具で、数珠の珠の数は「108珠」が基本になっています。数珠の起源には色々な説があり、バラモン教で用いる聖典が有力。
その聖典には連珠という数珠の原型が記述され、バラモン教の始まった古代インドから中国に伝来したのち、日本に仏教と共に数珠が伝わったとされています。
数珠の珠の数である「108」は、百八煩悩を象徴するという意味づけがあるのです。
数珠の用途は?
数珠は人間が持つ108の煩悩を消すために身につけるといわれ、邪心から身を守るとてもありがたい功徳もあります。持ち主の厄除けや魔除け、さらに福を授かる用途で使うこともあり、決してお葬式だけに使うものではないのです。
お葬式に数珠を着けていく意味は、故人に対して敬意を表すためで、本来は僧侶が経を唱えた数を数えるものとしても使われていました。
基本的にはキリスト教や神道の葬儀の際には、数珠を使う必要はないといわれています。
数珠の種類について
数珠の選び方で知っておきたいのは2種類あることで、それぞれの違いをまずは理解しておきましょう。ひとつは「略式数珠」と呼ばれるタイプ。
宗派を問わず使用できる一重の数珠です。片手念珠とも呼ばれ、豊富な素材の種類があり、持ち運びやすいコンパクトなデザインになっていることが特徴。
もうひとつは「本式数珠」と呼ばれるもので、宗派ごとに決まった形式の数珠のことです。二重になっていることや、男女別の数珠になっているため、正式数珠と呼ばれることもあり、格式が高い数珠といえるでしょう。
たとえば浄土真宗の数珠は、男性用の場合は紐房の片手数珠を使い、女性は蓮如結びになっている108個の主珠が特徴。日蓮宗の数珠は主珠が108個で、5つの房がついており、男女共に同じ形の数珠で大きさが異なります。
パワーストーンと数珠の違い
パワーストーンも数珠と同じく手首に通して使うアイテムですが、一番の違いは使用する目的です。数珠は法具。仏様に守ってもらう意味があり、パワーストーンは宝石の効能をあやかるために使うと考えられています。
パワーストーンは運気を上昇させるために使うものなので、数珠とは違った意味合いがありますね。また素材も異なり、パワーストーンは宝石などの石で作られているのに対して、数珠は天然石や珊瑚、木を使ったものなども存在します。
最近は数珠を気軽に着用してお守りにする人のために、数珠ブレスレットも人気があるようです。
数珠の選び方のポイントについて
では数珠の選び方についてご説明します。数珠は必ず持っていなければならないものではありませんが、マナーとして必要なアイテムです。
若い世代の人はあまり葬儀に参列することがないので、必要性があまり感じられないかもしれませんが、数珠は身代わりにもなってくれるお守りで、社会人にとって必要なアイテムにもなるでしょう。
略式か本式どちらがいい?
数珠の選び方で最初に考えるポイントは「略式数珠」「本式数珠」、どちらにするかという点です。一般的には年齢の若い人や宗派がわからないという場合は、略式数珠を選ぶことが多く、年齢と共に仏教の教えが深まると本式数珠に買い替える人もいるようです。
また家族のお葬式では本式数珠、知人の葬儀では略式数珠を使うなど、用途に合わせることも可能なので、決められない時は用途が広い略式数珠がオススメ。仏具専門店でアドバイスしてもらうのもよいでしょう。
値段について
数珠の選び方は予算も関係してきますので、希望の価格帯から選ぶのも可能です。数珠の値段は2,000円くらいのものから、50万円以上の最高級品までランクもさまざま。
値段が質を示すものではありませんが、希少価値のある素材を使った数珠なら、値段が高くなる傾向にあります。数珠の品質は素材以外にも加工の質、仕立ての質なども判断基準になり、全てが揃った時にとても素晴らしい数珠になります。
数珠は通し穴の加工や研磨加工で善し悪しがわかりますので、珠の真ん中にまっすぐ通っているか、糸が切れにくいかなど、細かい点もチェックしてみましょう。
海外加工された安価な数珠も増えていますが、国産の素材で手作りの数珠は、美しい光沢が特徴になっています。
素材の違いについて
数珠の選び方で気になるところが素材の違いです。軽くて手に馴染みやすいものは木製素材の数珠で、扱いやすいことが特徴。紫檀(したん)、黒檀(こくたん)、柘植(つげ)、栴檀(せんだん)などが人気です。
木製素材は使うほど艶が出て、年数を重ねると色合いが変わる魅力もあります。天然石の数珠は輝きが素晴らしいことが特徴で、パワーストーンの効能を意識する人に人気。
オニキス、ローズクォーツ、水晶などが有名です。またお釈迦様が菩提樹の木の下で悟りを開かれたことから、菩提樹を使った数珠も人気。他の素材と比較すると、さらに功徳を得られるともいわれています。
数珠の房について
数珠には房がついていますが、選び方は使いやすいタイプにすることをオススメします。略式数珠なら宗派の房の違いは決まりがありませんので、お好みのものを見つけやすいでしょう。
房は主に3種類。「頭付房」「梵天房」「紐房」が一般的で、女性に好まれる松風房やかがり房などもあります。房と数珠の色に決まりはありませんので、ご利用になる人の年齢や性別に合わせてお選びください。
男女別で選ぶべきか?
お葬式などのシーンで数珠を使う場合は、きちんと男性用と女性用の区別がされたものを使うと安心です。男性用の数珠は女性には大きすぎる場合もありますので、選ぶ際に男女の違いを確認しておくことが大切。
近年大きめの珠を好まれる人も増えていますので、女性でもボリュームがある数珠を使う人もいます。ただし各宗派用の本式の数珠は、男女によって明確な違いがありますので、購入の際にわからない場合はスタッフにアドバイスしてもらいましょう。
贈り物にする場合の選び方
数珠の選び方は自分用以外にも、家族や大切な人に向けてプレゼントすることもできるので、その際はいくつかの注意点を意識しておきましょう。
本式の数珠は宗派が関係していますので、もしわからない場合は略式数珠を選んでください。仏具の贈り物はマナーに反していないか不安になるかもしれませんが、数珠は相手の幸福を願い、法縁を与え功徳を施すとされています。
そのためとてもありがたい贈り物になりますので、引っ越し、新社会人、結婚など、人生の節目を迎える人を応援するためにプレゼントしてもよいでしょう。
まとめ
数珠の選び方は、初めてだとよくわからないこともあるはずです。ネット通販でも手軽に購入できますが、とても意味があるものなので、できれば実物を手にとって心が通うものを選びたいですね。
数珠はお守りとして普段から身につけておくことができますので、祈願したいことがある場合は、自分にぴったり合う数珠を選んで活用してください。