18Mar
雑草にも花言葉があり、とても素敵な意味を持つ植物がすぐ近くに生えていることがあります。花言葉といわれると、人気のあるカラフルな花などを思い出しますが、道端や野原で咲いている雑草も同じ命のひとつ。
とても強い印象を与える花言葉もありますので、今後散歩途中に見かけた時は、雑草の花言葉も頭に入れておくと楽しく鑑賞できるはずです。
では早速ですが、雑草の花言葉で印象的な意味を持つ種類をご紹介していきましょう。
カタバミ
カタバミは直径8ミリ程度の可愛らしい花が咲き、一見クローバーと似ているので間違えてしまうことがあります。都会でもよく見られる雑草ですが、花言葉はどのような意味があるか見ていきましょう。
花言葉について
カタバミの花言葉は「母のやさしさ」「輝く心」「喜び」という優しい意味が特徴です。5月20日の誕生花にもなっているため、雑草の部類ながらも馴染みが深い植物といえるでしょう。
カタバミはフランスやスペインでは、キリスト教で主を褒め称えるという意味があります。十字架にかけられて亡くなったキリストが、3日目に復活したことを祝う復活祭は、カタバミが開花する時期でもあり、この花はハレルヤという喜びにも由来しているため、宗教的にも意味がある花言葉です。
お守りになる
雑草の花言葉は、素敵な意味を持つ種類がたくさんあり、カタバミは西洋でもjoy(喜び)という意味があります。かつて西洋ではカタバミは、ヘビなどの毒を持つ生き物を避けるお守りとして使われていたこともあり、伝説では魔女がカタバミを嫌うので近づかないともいわれています。
兵士も敵から災難をよけるために、カタバミを剣に結んだという歴史がありますので、強く生きるカタバミは私たちのお守りとしてエネルギーを与えてくれそうですね。
ホトケノザ
2月8日の誕生花になっているホトケノザは、原産地がユーラシア大陸で、春から初夏にかけて開花する雑草。シソ科の植物なので育ちやすく、公園などでもよく見かけられます。
花言葉について
ホトケノザの花言葉は「調和」と「輝く心」です。ホトケノザは「仏の座」と書かれるように、常に平穏で、人々の幸福を願う仏様のような存在かもしれません。
花言葉の調和とは、他人とのいざこざを回避して、自分の心に向き合う意味があるのでしょう。一年草で本州や四国、九州、沖縄などでよく見られる雑草です。
名前の由来について
ホトケノザという名前は、花が向かい合った葉の姿が、仏様が座る蓮華座に似ていることからつけられたといわれています。花はとても個性的な形で「唇型花」といわれ、手に取ってじっくり鑑賞したくなる魅力があります。
この花びらはハチの受粉を助ける効果が期待でき、花の奥にはハチが大好物の甘い蜜がたっぷり入っています。またホトケノザの種は、エライオソームというアリが好む物質が付着しているので、せっせとアリが巣に運び、そこから新しい芽が発芽するのも特徴。
ホトケノザは、生き物の連鎖を呼ぶ生命力を感じる雑草で、よく知るととても楽しく鑑賞できるでしょう。
ハコベ
雑草の花言葉といえば、まずハコベを想像する人が多いのではないでしょうか。開花は3月~9月ととても長く、日本全土に分布している雑草のひとつ。
本草和名という日本最初の植物図鑑には、ハクベラという名前で記載されています。ではこの雑草の花言葉や由来を見ていきましょう。
花言葉
ハコベの花言葉は「愛らしい」「ランデブー」という意味があります。西洋では「集合する」という意味があり、ハコベが集まって生える公園の風景を思い出しますね。
ハコベという名前は、ハコベラという言葉が語源になっているといわれているのですが、その意味は不明。学名のステラリアは、ラテン語の星を意味するステラから由来しています。
春の七草のひとつ
ハコベは日本では、春の七草として有名。七草とは1月7日に春の7種類の野菜を入れた七草がゆを食べて、無病息災を願う風習です。
お正月のおせち料理で胃が疲れた時に、おかゆで優しくいたわる意味があり、七草がゆは冬場の不足しがちな栄養を補う目的もあるようです。
雑草としてはとても生命力が強く、庭のあちこちに生えるので、手入れで困る人もいるでしょう。除草は比較的手間がかかりませんが、種子の数が多く作られるため、一旦種子が広がるとまた生えてくる可能性があります。ハコベはそんな力強さを感じさせてくれる雑草ですね。
カヤツリグサ
カヤツリグサは、別名蜻蛉草(トンボグサ)とも呼ばれる雑草で、8月30日の誕生花になっています。どのような花言葉や意味があるのか、早速見ていきましょう。
花言葉
カヤツリグサという雑草の花言葉は、「伝統」という意味があります。名前を聞いてもどの雑草かわからないはずですが、カヤツリグサは夏から秋にかけて、三角柱状の茎から黄色っぽい小穂を伸ばすことが特徴。
その姿は、線香花火のように繊細なイメージがあります。かつて子供たちの夏の遊びに欠かせない植物だったカヤツリグサ。茎を二人で裂いて広げると四角形になり、まるで蚊帳を吊ったような形になることから、カヤツリグサという名前がつけられたといわれています。シンプルな時代を象徴する植物ですね。
雑草の定番
カヤツリグサは、名前を聞いてもあまりピンとこないのですが、雑草の定番で、北海道を除く全国でよく見かけられる種類です。とても繁殖力が強く、家の庭に生えてしまうと少し頭を悩ませることもあるでしょう。
カヤツリグサの花が成熟すると茶色に変色して種になり、このまま放置しておくと自然と種が周辺にばらかまれてあちこちで発芽します。
麦の穂のようにも見え、夏の激しい日差しの中で元気よく育つ姿は、都会の道路わきなどでも見かけることができます。
タンポポ
タンポポは雑草的な扱いをされてしまうこともありますが、黄色で埋め尽くされた野原はとても綺麗で癒されますよね。ではタンポポの花言葉や意味について見ていきましょう。
花言葉
タンポポの花言葉は「真心の愛」「愛の神託」「別離」「神託」という意味があります。英語の花言葉は「ハピネス(幸福)」「フェイスフルネス(誠実)」。
最盛期は3月~4月で、寒い季節の終わりを告げた頃にタンポポを見ると、気分がワクワクしてきますよね。花言葉の由来は古く、ヨーロッパでタンポポの綿毛を使い恋占いしたことが関係しているといわれています。
別離という花言葉があるのは、タンポポの綿毛が遠くへ飛んでいく様子にちなんだものでしょう。ヨーロッパでは綿毛を抜きながら「好き、嫌い、好き…」と花びらで占うように、タンポポが恋占いのツールに。
一息で全て綿毛が飛べば、情熱的に愛されている、少し残ると心が離れる気配があると診断されるようです。
タンポポにまつわる伝説
タンポポは黄色の花から白の綿毛に変わり、風に吹かれて終わりを迎え、いつの間にか夏が訪れます。タンポポにまつわる伝説では、まず怠け者の南風が、野原にたたずむ可愛い少女を見つけて恋に落ちました。
その少女の本当の姿はタンポポ。毎日南風は少女をずっと見続け、次第に少女は白髪の老婆に。悲しみのあまり南風は大きなため息をつき、タンポポの綿毛が飛ばされていなくなったというお話があります。儚い恋の話は、タンポポが消えてしまうような終わりを表しているのでしょう。
まとめ
雑草の花言葉は色々な種類があり、何気なく見過ごしていた植物も愛着が湧くかもしれません。雑草は厳しい環境下でも力強く生存する命なので、花言葉の意味も合わせてこれからは大切にしてあげたいですね。